パナソニックとトヨタ自動車が住宅事業を統合するという記事を先日見つけた。ハウスメーカーとしての生き残りをかけた策なのだとか。消費税増税後の景気は徐々に悪化し、オリンピック後にはさらに悪化するであろうというニュースまである。その中でもこの住宅戸建ての建設業界は大きな打撃を受けている。より魅力的な空間設計をこなす設計事務所や工務店だけが生き残っていくのかもしれない。そんなパナ・トヨタの統合記事を抜粋したので読んでほしい。

パナソニックとトヨタ自動車が住宅事業を統合して新会社のプライムライフテクノロジーズ(PLT)を発足させた。パナソニックホームズ、トヨタホーム、同社子会社のミサワホームなどが傘下に入り、3社合計の戸建て住宅の販売棟数は1万5千棟超(2018年度)と国内2位に浮上する。新会社は物流や調達などで統合効果を追求するが、3社で得意な工法が異なり課題も多い。  パナソニックとトヨタが最大株主としてPLTに同率を出資。両社にとってPLTは持ち分法適用会社になる。2社や傘下企業などから約70人が出向し、グループ戦略を立案する。社長にはパナソニックの北野亮元専務執行役員が就いた。  新会社は戸建て住宅では国内2位。ただ、3社の19年3月期の売上高営業利益率はいずれも1~2%程度で、戸建て首位の飯田グループホールディングス(7.2%)に比べて劣勢は明らかだ。  新会社は部材の仕入れや物流の共通化などで利益率の改善を目指すが、3社で工法や使う部材が異なり、狙い通りに進むかは未知数。パナソニックホームズとトヨタホームは鉄骨を用いたプレハブ工法が得意だが、部材の寸法や組み立て手法が異なる。ミサワは木質パネル工法に強く部材で2社との協業はしにくい。  パナソニックとトヨタが住宅事業の統合を発表した5月以降、合理化策を協議してきたが、「まだ本音の話はできていない。考えるのはこれからだ」と新会社の関係者は話す。3社はブランドをそれぞれ残す方針だが、野村総合研究所の榊原渉グローバルインフラコンサルティング部長は「傘下企業の経営統合など具体策をいち早く打ち出せるかが大切だ」と話す。  住宅事業を巡ってはパナソニックは創業者の松下幸之助氏が「1つだけ自分自身がやってみたい事業がある」として1959年にスタート。トヨタでは創業家出身の豊田章一郎名誉会長が自動車事業を起こした父の喜一郎氏にならい、75年に参入した。両社にとって創業家が絡む肝煎りのビジネスだったが、急激な環境変化を踏まえて連結子会社から外して統合による生き残りを目指す。

日経 2020年01月09日朝刊

戸建て業界のトップに君臨する飯田グループホールディングスは、統合して2位に躍り出たパナソニックとトヨタの新会社よりも年間戸建て販売数を2万6000戸以上も差をつけている。年間4万1600棟という驚異的な数字をたたき出しているが、どういうわけかこの飯田グループホールディングスを私は知らなかった。調べてみると昨年11月には豊橋にも出店しているのだとか。しかし年間4万棟を売り上げるのは素直にすごいと関心してしまうのだった。