その土地に最適な玄関の位置を考える
2015.09.09
住宅を設計するときも、店舗を設計するときも同じですが、入り口となる部分の設計には、ちょっと気を使います。もちろん防犯上の問題もあるでしょうし、近隣の方の目線なども十分視野に入れていくわけですが、それ以外にも我々設計者が気を使っていることを少しお話しさせて頂ければと思います。
玄関の位置を設計する際に気を遣うこと
玄関は住まい手が利用するだけではなく、その家へ訪れる方も利用する入り口です。住まい手は使い慣れた入り口として利用するわけですが、訪問者にとっては使い勝手の分かりにくい入り口となるわけです。そこで訪問者にも優しいと言いますか、だれにでも使いやすい入り口を設計する必要性が出てくるわけです。
駐車場、道路からのアプローチと兼ね合い
住宅や店舗にとって、アプローチとは物語の始まりです。起承転結の「起」となる部分なわけです。アプローチをどう面白くするかで、住宅へ訪れる方をはじめ、住まい手の家への期待感が膨らみます。昨今よく見る駐車場から丸見えの壁面にべた~とした玄関は、それはそれでスッキリ見えるのですが、少し味気ないなと思ったりするところです。
和風建築や旅館などでは、こういったアプローチの趣をとことん追求し、訪問者が期待に胸をふくらますようにと設計されています。我々も設計する際にはこういったアプローチの趣を大切にすべく、玄関の位置や向きなどを設計いたします。
光が差し込む方向と玄関の採光
玄関はやはり明るいに越したことはありません。南向きに設けることができる敷地では極力南向きに配置いたしますが、やむを得ず北側や西側などへ設ける場合には、玄関の天井高さや採光の方法をあれこれと考えます。
北側に玄関を設ける際には、南面まで廊下を通したり、東西の壁面から採光が取れる位置に配したりと家相と相談しながら決定していきます。
風向きと周辺の状況
近隣にマンションがある場合や、グラウンドがある場合などには、目線と飛砂のことを考慮して玄関位置を配置します。豊橋地区は、冬に北西の風が強く吹く傾向にあるので、北西には玄関を向けることを避けます。また、設計上やむを得ない場合には風除けの壁やワンクッション扉を設けて逃がすことがあります。コンビニなどで通常の入り口の外にさらに風除け室を設けてあるのはこのためですね。
安心できる玄関づくりのために
お施主様と打ち合わせをしながら、その敷地の特徴を調査し設計を進めていきます。高低差のある敷地では玄関位置が限られてしまうこともありますが、アプローチの楽しみ、住まい手が家に帰りたくなるような玄関の設計を心がけさせていただいております。住宅の新築、増改築でお悩みでしたら、お気軽にお問い合わせください。