「SE構法」をご存じでしょうか?
我々が扱う従来の「在来工法」とは異なり、集成材を利用した「木造」版の鉄骨構造みたいな感じです。木骨とも呼んでいるようです。
メリットは、従来の木造建築物ではむつかしかった、柱と柱の間(スパン)を10m以上も飛ばすことができたり、階高(1フロアの高さ)を4m以上も飛ばすことができたり、やはり最大のメリットは筋交いなどの耐震壁を必要としない点ではないでしょうか。
逆にデメリットがあるとすれば、従来の在来工法よりも、1.2~1.8倍程度単価が上がってしまう点。(業者によって価格率は異なります。)
そんなメリットいっぱいのSE構法がバージョンアップしたというので、少し覗いてみました。

階高6mがもたらすメリット


従来のSE構法では階高4.5mまででしたが、Ver.3からは階高6mまで可能になったとのこと。
これによって何が変化したのかというと、倉庫などの鉄骨で組んでいた構造物がSE構法で可能になるという点。
環境にやさしく、コスト面でもメリットをもたらします。また、大型店舗でも導入が期待され、無印良品などではすでにSE構法を取り入れた店舗がちらほらあるのだとか。
店舗の新しい構造の取入れは、今後着目されるかもしれませんね。

最大スパンの制限なし

これは驚きなのですが、従来のSE構法では12mまでのスパン制限が設けられていました。
ところが今回のVer.3では制限なしということで20mでも飛ばせるよということになります。その分梁の太さは増していくのでしょうからいくらでもというわけではないとは思いますが、それでも魅力的なスパン制限撤廃です。

費用を抑えるなら在来工法。贅沢に暮らしたいならSE構法という手

SE構法のメリットは計り知れませんが、やはり一般住宅では少しオーバースペックなのかもしれません。
筋交いが不要な点はかなりうれしいですが、費用がかかってしまうので、そのあたりは予算が許すなら…といった感じでしょうか。
在来工法には、在来工法の良さ。SE構法にはSE構法の良さ。それぞれのライフスタイルに合った構造の選択をしてみてください。