ガスコンロの炎から発がん性物質!?ガスコンロのピンチか!?
2023.08.09
6月末頃のニュース記事だったかと思います。いつものようにニュースをチェックしておりましたら、タイトルの通り「ガスコンロの炎から発がん性物質」が発生するという記事を発見。これはガスコンロ市場におけるピンチではないかということで記事を詳しく見ていきました。
まずは記事の抜粋からご覧ください。
台所にあるガスコンロを使うと、室内環境がタバコの副流煙よりも有害になる場合があることが、最新の研究で明らかになった。
環境科学技術分野の学術誌「Environmental Science & Technology」に2023年6月15日付けで発表された研究によると、ガスコンロで調理をしている住宅内で、ベンゼンと呼ばれる発がん性物質が検出されたという。ベンゼンは、石油精製工場で生産されているほか、たばこの煙にも含まれている化学物質だ。
この研究によると、住宅17軒で、最大火力のコンロおよび摂氏177度のオーブンを45分間燃焼させた結果、33のバーナーとオーブンを使用したうちの9例(29%)では、タバコの副流煙によるベンゼン濃度(0.34~0.78ppbv)を上回ったという(日本の環境基準は年平均値で約1ppbv以下)。
また、ガスコンロから発生するベンゼンは、台所に設置されている換気扇やレンジフードでは除去しきれない場合があり、適切な換気システムがなければ、台所から寝室へと拡散してしまう場合があるという。6軒の家で、1時間半のオーブン(摂氏246度))使用によるベンゼン濃度の変化を、台所から最も離れた寝室で測定した結果、オーブン着火から1時間以内に1ppbvを超え、消火後も数時間は1ppbvを下回ることがなかった家が3軒あった。ある1軒では、換気扇があっても最高8.9ppbvに達し、消火後も8ppbvを超えた状態が20分ほど続いたという。
研究チームは「ガスコンロとガスオーブンの使用中と使用後に、寝室のベンゼン濃度を測定したところ、台所のガス機器から発生したベンゼンが、他の部屋にも広く移動していたことがわかった。ガス機器をオフにした後も、数時間にわたって、台所以外の部屋にいる人が、引き続き高濃度のベンゼンに暴露されている可能性がある」と述べている。
さらに研究論文は「米環境保護庁(EPA)は、住宅内でガスを燃焼すると発生するベンゼンをかなり過小評価していることが、今回の研究で示された」とも述べている。「研究の結果、ガスコンロの強火と、摂氏177度のオーブンを合わせると、米国の家庭では年間7200kgのベンゼンが排出されることがわかった。一方、EPAが発表している温室効果ガスインベントリによると、住宅用ガス機器すべて(ガスボイラーとガス給湯器を含む)から排出されるベンゼンは、年間で推定4300kgだ」
研究者はさらに、IH(電磁誘導加熱)コンロで2度調理してベンゼン濃度を測定したが、検出されなかったと述べている。「また、火力を強にした電気コイル調理器やIHコンロ、電気オーブンを摂氏177度で使用した場合は、天然ガスやプロパンガスのコンロを使用した場合と比べて、ベンゼン濃度の中央値が10分の1から25分の1だったこともわかった」という。ガスコンロを燃焼させると有害な化学物質が発生することは、これまで複数の研究で示されている。例えば、強力な温室効果ガスであるメタンや、血液の酸素運搬能力を低下させる物質である一酸化炭素(CO)、喘息と強い関連性がある一般的な大気汚染物質である二酸化窒素(NO2)、広く知られる発がん性物質であるホルムアルデヒドといった物質だ。
ガスコンロを使用する家庭で育った子どものほうが、生涯にわたる喘息の発症リスクが24%、小児喘息を発症するリスクが42%高いことが、ガスコンロに関する41以上の研究で証明されている。
今回の研究結果で、ガスコンロからIHコンロへの変更は、健康面で望ましい決断である可能性が、いっそう浮き彫りになった。子どもと親自身の循環器系にとって望ましいばかりか、血液細胞がんのリスク低減にもつながるのだ。ベンゼンへの長期的な暴露は、白血病とリンパ腫の発症リスク上昇と関連している。
研究チームは、室内の空気汚染と、それが人々の健康に及ぼす影響について、早急に理解を深める必要性があると訴えた。なぜなら、ほとんどの人が、87%の時間を室内で過ごしているからだ。
今回の研究論文の筆頭著者で、スタンフォード大学の大学院に在籍するヤナイ・カシュタンは声明で「私はたまたま、電気コンロが設置されている賃貸アパートに住んでいる」と述べている。「この研究に着手するまでは、特に気にしたことはなかった。しかし、ガスコンロによる空気汚染について知れば知るほど、ガスコンロのない家に住んでいてよかったと安堵している」
掲載元:JAPAN Forbes
ということです。
あくまでアメリカでの研究結果であって、日本のキッチン環境と同じではないという点はよく理解しなければならないかなと思っています。
例えば、アメリカのように日本ではガスオーブンを頻繁に使用しない点。アメリカのガスコンロと日本のガスコンロではメーカーや仕様、ガス量が異なることなど、その環境は大きく異なっているんですね。
ただ、ガスコンロの空気が体にはよくないということは皆さんもよくご存じかと思いますので、今回の研究結果で、少しガスについての認識を再度深めていくということはよいことかと思います。
IHは電磁波が気になる。ガスは空気汚染による影響が気になる
ガスが発がん性物質が発生しやすいとして、ではIHはどうなのかというと、電磁波が良く問題視されますよね。
電磁波って結局のところどの程度人体に影響を与えているの?ということに関しては、正直全くわからないのが現状です。だってスマートフォンでさえ電磁波を放ち、目に見えない周波数の電波が常に人体をすり抜けているわけですから。
つまりは、ガスもIHもそれぞれ不安要素は拭えないよね、という状況で「じゃあガスはやめよう」とか「IHはだめだ」とかは言えないのではないかなと。
個人的な解釈として、「発がん性物質」が見つかることと、「がんになる」ことは別問題なのかなと常々思っているところです。
なぜなら、発がん性物質を接種している人々のすべてががんを発症しているという研究報告は聞きませんし、がんはそもそも「体温の低いところ」に発生するわけですから、その方の生活スタイルの方が大きな影響力を持っていると考えるからです。
と、話がそれましたが、ガスコンロもIHコンロもそれぞれ好きな方を使うのがよろしいかと思います。
ガスにはガスの良さがありますし、IHはIHの良さがあります。
私はここ最近IHを使い始めて、IHの良さを認識し始めてます。なにより掃除がしやすいし汚れにくい。調理器具も汚れにくいし洗いやすい。火力が固定できるので、毎回同程度の調理を行うことが容易になる。などなど。使う前はガスじゃないと・・・なんて思ってましたが、IHも全然いいです。
ということで、一応発がん性物質が検出されたそうですよ、という報告のような記事になってしまいましたね。
ではでは。