家具に使用する仕上材

設計事務所にいたころ、家具を設計する際にはよく「ポリ合板」や「メラミン化粧板」というものを使用しました。主に「アイカ」の製品なわけですが、お客さんにはあまりピンとこないのではないかと思い、ここで少し説明してみようと思います。

強度の違い

各仕上材には強度にも違いがあります。ポリ合板は、ポリ用印刷紙を薄い合板に張り ポリエステル樹脂を0.3ミリの厚さで塗布してあり、薄いベニヤのようなイメージを持っていただければわかりやすいかと思います。
地元豊川や豊橋ではカーマなどにも置いてあります。
メラミン化粧版は1㎜の厚さしかないため、下地に合板やランバーコアなどを使用し貼り付けます。そのためポリ合板よりも強度が出ます。

用途

強度的な用途から、メラミンは主に天板、扉、壁面に使用します。これはテーブルが傷付いたりするのを防ぐためです。また足で蹴ってしまうような場所にもメラミンを使用します。
逆に強度的に弱いポリ合板はどこへ使うのかというと、扉の中や人の手が触れないような場所です。

コスト

強度がそのままコストへも影響していると考えてよいと思います。ポリ合板とメラミンでは1.5倍~2倍程度の金額的な差がありますが、家具を製作する過程で下地の材や貼り付け作業の手間を考えると、メラミンはもう少し値が上がります。

合板系仕上材のまとめ

ポリ合板

2014-222-1

強度がないため、比較的コストを落としたい場所に使用。倉庫の戸や下駄箱などにも使用。

メラミン化粧版

2014-222-2

テーブルや棚の天板、腰壁や建具にも使用。強度があり、傷に強い。

合板系以外の仕上材

昨今ではシックハウスなどの関係から合板系の家具も少なくなってきました。人の手が触れて気持ちの良い天然の木仕上がやはり人気です。
木の仕上では、少々接着材は使用していますが、集成材。天然木の単板貼り。あるいは無垢材があります。

次回は家具に使う天然木の種類について少し触れてみたいと思います。