風力発電の電力買い取り額が上昇?

2014年の再生可能エネルギー買い取り額が議論されているようです。昨年まで太陽光発電の買い取り額が36円と大きかったのに対し、風力発電が22円と、なかなか風力発電を設置するに至らなかった民間ですが、来年から35円になるのでは?との見方です。そうなってくると太陽光発電よりも買い取り額が高くなるわけですが、電気変換効率が追い付いていない感じはしますね。。。また風のない日は発電0の日もありうるわけですから、ややリスクはありそうです。

再生エネ買取り 太陽光2年連続下げ 洋上風力に優遇価格

 経済産業省は10日、再生可能エネルギーの2014年度の買い取り価格の議論を始めた。民間の投資が太陽光発電に集中している現状をどう改めるかが焦点。太陽光の買い取り価格を2年連続で下げる一方、洋上風力には優遇価格を新設して投資を後押しする見込みだ。地熱、中小水力、バイオマス(生物資源)は据え置きとなる公算が大きい。「調達価格等算定委員会」が3月までに14年度の価格を正式に決める。  12年7月に始まった固定価格買い取り制度は、再エネで作った電気を10~20年間、一定価格で買い取ることを電力会社に義務づけている。12年度は太陽光で1kw時40円(税抜き)と高い価格が付き、大規模太陽光発電所の建設が相次いだ。  太陽光はパネルなどが急速に値下がりしており、経産省は13年度は太陽光の価格を36円へ1割引き下げた。12年度に有利な買い取り条件を確保しながら着工を遅らせ、不当な利益を得ようとしている事業者もいるとみられ、10日の委員会でも実態の解明を求める意見があった。  ただ、買い取り制度は当初3年間は事業者の利益に特に配慮することが法律で決まっている。このためパネルなどの値下がり分だけを価格に反映させ、30円台前半で決着する公算が大きい。  太陽光以外への投資を促すため経産省は洋上風力向けに優遇価格を新設する。現在の風力の買い取り価格は22円。陸上への風車設置を前提としており、洋上風力では採算が合わない。現在の風力価格の1.6倍にあたる35円前後を軸に調整が進む見通し。  電気料金への上乗せ額も焦点だ。電力会社は再エネの買い取りに使った費用を、電気料金に上乗せして回収する。12年度に標準家庭で月87円だった上乗せ額は13年度に120円に上がり、14年度も膨らむ。  14年度は消費税率が5%から8%に上がるため、その増税分も買い取り価格や電気料金への上乗せ額に別途、反映される。  現在の計算方法では上乗せ額が過大になるという批判もある。経産省は専門家による別の委員会で計算方法を検証する方針だ。 —–発電開始、97%が太陽光—–  経済産業省は10日、昨年10月末時点の再生可能エネルギーの発電設備の導入状況を発表した。2012年7月の固定価格買い取り制度の開始から、原発6基分に相当する585万kwが新たに発電を開始した。発電を始めたうち97%が太陽光だった。政府は低コストの風力や地熱発電の普及を急ぐが、買い取り価格の調整だけでは難しい面もある。  発電を開始したのは太陽光が567万kwに達した一方、バイオマス発電は11万kw、風力は7万kw、地熱は0.1万kwにとどまった。買い取り価格が高い太陽光に投資が集中すれば家計の負担もその分重くなる。  農地や国有林など風力や地熱などのエネルギーの資源が豊富な地域でも規制が導入を妨げている。政府は今春、自治体が指定した農業振興地域以外の農地は風力発電に使えるように規制を緩める方針だが、太陽光から1年遅れでの整備となる。  地熱は国立・国定公園内での掘削を可能にしたが、開発には約10年かかり、総額も数百億円の投資が必要だ。初期調査の支援や技術開発など開発段階に応じた支援が欠かせない。環境影響評価の期間短縮も課題となる。  送電線の整備も必要だ。投資が先行した太陽光が送電網を使用し、風力発電を始めたくても容量不足で認められない場合が出てきている。

日経 2014年01月11日朝刊