建築用の鋼材が値上がり

在庫の減少により建築用の鋼材が値上がりしているそうです。鉄骨、鉄筋コンクリート造の場合にはかなり大きな費用差がでてきそうです。
木造住宅ではH鋼や平鋼は使用しないので、とりあえずの影響はなさそうですが、鉄筋まで値上がりを始めると少々お見積りに影響しそうです。

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以下記事抜粋です

建築用鋼材、軒並み上昇 流通各社 在庫減で値上げ浸透

 H形鋼や平鋼など建築用鋼材の流通価格が軒並み上昇している。高炉と電炉メーカーが追加値上げで足並みをそろえ、流通各社も需要家への転嫁を急ぐ。在庫減少で不足感が出ており、市中には先高観も出始めた。急ピッチな値上げを受け、一部には購入を手控える動きも出ている。  建物の鉄骨に使うH形鋼の一般流通(店売り)価格は、指標品が東京地区で1トン7万円前後。10月末に比べて4,000円(6%)高い。千葉県の鋼材問屋、加藤鉄鋼では「先高観が続くうちに値上げのスピードを上げる」とし、販価を7万5千円まで引き上げる方針だ。  新日鉄住金が店売りを対象に、12月契約までに合計で1万円の値上げを表明。電炉大手の東京製鉄も値上げで足並みをそろえ、各社は2017年1月の追加値上げも検討する。新日鉄住金が12月から3割の受注カットを実施するなどメーカーは供給を絞り込んでいる。  店売りの鋼材を多く使う小規模(2千平方メートル未満)の鉄骨造りは小型スーパー向けなどが堅調で鉄骨の需要は回復している。今年春まで鋼材価格が急落するなか、流通各社は在庫を圧縮。在庫は5年ぶりの低水準となり、供給不足が意識されている。  原料の鉄スクラップ高を受け、電炉製品の多いほかの形鋼にも値上げが波及している。鉄塔や橋梁などに使うL字形の山形鋼と、建物の梁(はり)などに使うコの字形の溝形鋼はそれぞれ、11月末から1千~2千円上昇した。ただ公共工事を中心に土木分野の需要は鈍く、H形鋼に比べると市中の値上げは遅れている。  鉄骨部材に使う平鋼も流通価格が3年ぶりに反発し、5千円高い。メーカーや流通が集約され、値上げが浸透しやすい。用途で競合する銅板の値上がりで価格競争力も高まった。  来年に向けては需要の動向に加え、原料価格がカギとなる。高炉の原料である原料炭のスポット価格は、高値をつけた11月比15%安の1トン250ドル台まで下げた。一段安となれば、値上げ機運に水を差す。

日経 2016年12月23日朝刊

今後の動きに、特に来年の動いに目が離せない感じですね。