時々狭小住宅の案件を手掛けると、敷地境界から50㎝離さなければ!というお話が飛び交います。特に不動産屋さんはこの民法に関してはしつこく説明してくださいます。
そもそもこの敷地境界線から50㎝離すとはなんなのか、実際の民法の文を見てみましょう。

民法第234条(境界線付近の建築の制限)

建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

はい、つまり境界線から50㎝以上離して建物を建てないと、隣の家の方に苦情を言われ、建設中止や損害賠償を支払わなければならないということになっているんですね。
でも、京都の町や、古くからある商店街などでは、建物と建物の間が10cm程度しか離れていないような建物のありますよね。実は、この民法には、まだ緩和規定があるんです。

2015610

民法第236条(境界線付近の建築に関する慣習)

前2条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

これはどういう意味かと申しますと、その町の慣習に従って、街並み景観や地域の決まり事に従って、50㎝以上建物を離さなくても大丈夫ですよということなんですね。また、建築基準法では以下のように説明しています。

建築基準法 第六十五条(隣地境界線に接する外壁)

防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

最近よく見かけるようになった狭小住宅。狭い土地でめいっぱい建物のを建てるのに、民法の50㎝規定が邪魔となってしまう場合がありますが、基準法65条を適用することで、敷地いっぱいに建てることができるわけですね。裁判所でもこちらの基準法を適用するそうなので、狭い土地に建物を建てられる場合には、民法を頭に入れつつ、こちらの65条を適用し、隣地の方に説明しておくとよいかもしれませんね。