ウッドショック以降値上がり続けていた木材。ここにきてようやく「集成材」の値が下がり始めたようです。
集成材の使用頻度は、建築の構造・構法によって異なるので一概に住宅などの工事費用が下がるとは言えないですが、SE構法をはじめとする集成材をメインの構造に使用する構法では約2~3%の構造材費用が下がってくるのではないかと考えています。
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住宅に使う国産集成材の流通価格が下がった。東京地区の問屋却価格は、梁(はり)に使う集成平角(4m×10.5cm×30cm)が12月中旬現在、1立方m11万5,000円(中心値)と前月比5,000円(4%)安い。柱用の集成管柱(3m×10.5cm角)は1本3,700円と同450円(11%)安い。ともに2021年7月以来、約1年半ぶりの安値だ。  需要減が背景だ。国土交通省によると4~10月の新設住宅着工戸数は前年同期比0.8%減った。資材高が住宅の買い控えにつながっているほか、工事の遅れも響いた。都内の木材問屋は「集成材の荷動きはよくない」と漏らす。  輸入の増加も価格の押し下げにつながった。21年に発生した木材不足「ウッドショック」のあおりで供給不安が続くとの見方が残るなか、ロシアのウクライナ侵攻でさらに懸念が強まった。  集成材メーカーの担当者は「3月以降多くの注文を入れた。結果的に荷余り感が強くなった」と話す。林野庁によると1~10月の集成材輸入量は、前年同期に比べ19%多い。  先安観もにじむ。原料となる引き板材「ラミナ」の対日輸出価格は2四半期連続で下落。主力の欧州産の10~12月期は梁向けが1立方m300ユーロ前後と前四半期(7~9月期)から150ユーロ(33%)値下がりした。原料は23年1月から入港し始め2月から製品として市場に出回る。さらに集成材の価格が下がる可能性がある。

日経 2022年12月16日朝刊

集成材を使用するカ所として、構造材以外には、造作材(カウンターやニッチ<飾り棚>など)で、建築全体から見ますと、1%程度の使用割合なので、今のところは大きな値下がりは期待できそうにありません。
やはり面積の大きなガラス・サッシ、無垢の木材、合板、プレカット費などが根下がらない限りはこのままの工事費になってくる物と思われます。
また、原油の高騰によるコスト増加が大きいことや、今後の日本全体の物価上昇を考えますと、値下がるのを期待するよりも現状がベース価格で、この先値上がりしていくものという認識に切り替えて行く方が建設的かもしれません。
つまりは、住宅を建てようと考えた時には、すぐ建てた方がこの先の値上がりを考えれば賢い選択といえそうです。