根上建築の家はセルロースファイバー

断熱材のお話です。断熱材にはいろいろなものがあることは以前の記事にも書かせていただきました。今回は、根上建築が標準仕様として使用しているセルロースファイバーの家についてお話いたします。

セルロースファイバーとは

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木材を主原料とした木質繊維系の断熱材のことで、木質繊維自体がもつ無数の空気胞と繊維との絡み合いによってつくりだされた空気層により、断熱効果が高く吸放湿性にも優れているとされます。吹き込み工法が主で、天井裏・壁・床下などに用いられる断熱材です。

優れているのは、吸湿性と防虫性能。そして…

セルロースファイバーは断熱材としては、グラスウールとさほど変わらない断熱性能をもっています。厳密に言えば、グラスウールには充填密度の違いによって断熱性能が異なるので一概に同等とは言えませんが、一般的に住宅に使用するグラスウールよりは優れていると考えていただいてよいかと思います。
セルロースファイバーの特徴は、セルロースファイバー自らが呼吸をするということ。梅雨の時期などの湿度の多いこの日本で断熱材が呼吸することの意味は、おそらく多くの方が理解していることと思います。この呼吸する断熱材がもたらす効果は、ただ単純に室内を快適にしてくれるだけではなく、同じく湿度を嫌う構造の木材の寿命を長くすることにも貢献するのです。

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また、セルロースファイバーはグラスウールと違い吹付ける形で充填されるので隙間がつくられにくいというメリットがあります。
これによりどのような形状の場所でも敷き詰められることができるので、実際の断熱効果としてはグラスウールよりもはるかに高いものとなります。

根上建築がセルロースファイバーをすすめるわけ

私どもの建てる家は、自然素材であることはもちろんのこと、住まい手にとって害のない家で暮らしてほしいという思いがあります。
長年大工をやってまいりますと、グラスウールのチクチクが身体中を害していくのがよくわかります。また、合板や接着剤の揮発性物質が目に沁みたりもします。(数時間すると揮発性がなくなりますが。)こうして家を建てる過程で得た経験をもとに、本当に人に優しい家を建てたいと考えたわけです。そして出した一つの答えがセルロースファイバーという断熱材の標準仕様化。根上建築は、漆喰の壁、セルロースファイバーの断熱材、無垢の仕上材で、現代に合った高性能でありながら、昔ながらの素材の感じる家を目指しています。