設計料の算出方法って何?

一般的に設計料の算出方法は、施工費(工事費)のおよそ10%前後かつ、最低設計料によって算出されることがほとんどです。
工事費=設計労力分とみなすためにこのような算出法を多く取り入れているのだと思いますが、昨今の低価格住宅などの出現でこれがややこしさを生む原因となってきました。

どちらも同じ設計料

たとえば50坪の家を設計します。工事費が坪60万で3000万だったとします。仮に設計料が10%の設計事務所の場合300万となります。
次に設計した家が、低価格住宅で仕上材や木材の質を落とし坪単価40万だった場合、2000万が工事費となり設計料は200万です。
しかしながら仕上材や木材の質を落としたことで作業量が減るわけではなく、同じ50坪の家を設計しているわけです。それなのに100万円の設計料の差ができてしまうのはちょっとおかしな話ですね。

最低設計料の設定

そこで多くの設計事務所では最低設計料を設定しています。たとえば30坪の家を設計する際、坪単価が40万だった場合、10%の設計料であれば120万となります。しかし30坪の家を設計したとしても現場監理や作成する図面は50坪の時とほとんど変わりません。つまり、120万では赤字になってしまう可能性が出てくるわけです。そうした問題を最低設計料として200万円(仮)などを設定することがあります。また、臨機応変に何坪までは最低いくら、という設計事務所もありますし、設計料の%割合を5~12%という具合に設定している事務所もあります。

一般的な設計料について調べてみる

東京の建築士事務所協会のサイトでは以下のような内容で掲載されています。
東京都建築士事務所協会|設計料ってどのくらい?
こちらのページでは「平成21年国土交通省告示第15号に準拠し、その『略算方法』を用いて算出した」と書いてあります。
それに沿って算出された木造2階建ての30坪の家では設計料315万とし、建築確認申請などの業務費別と書いてあります。
地方にいる私たちからすれば少々高い気もしますが、都心の設計はとても複雑ですのでこのくらいが妥当かもしれません。

理想的な設計料算出

設計事務所を経験していた私の感覚からしますと、構造の種類によってまず4つに分け、各構造ごとに面積あたりいくらという基準額を設定するのがよいのではないかと思います。
たとえば木造の場合、坪あたり10万円を設計料とし、それプラス確認申請等の業務費。そうすれば工事費に関係なく設計料は算出できるわけです。契約の段階でもお客様に説明もしやすいですし、「面積が大きくなれば設計料が変わります!」と納得していただける。仮にこれが工事費の何%という算出の場合、工事業者と設計事務所が裏でつながっていて工事費も設計料も多めに取ってるかも?なんて、疑り深いお客さんだったら信用問題にもなりかねませんよね。(実際は相見積なので工事業者も必死で安くしてきます。)
また、鉄骨系やRC造になると、構造計算書というものが必要になります。これは坪単価計算せずに、一式として上乗せする方がよいかと思います。なぜなら構造のスパンの違いや複雑な形状によっては計算書が増えたりするわけですから、一概に坪計算では出せませんものね。

設計料のまとめ

根上建築では、建築士事務所と工務店が一つになっているため、複雑な設計料算出の必要はありませんが、設計料に対しては抵抗の多い日本人です、少しでも設計料に対する参考になればと思います。