家庭の太陽光発電の余剰電力を電力会社が買い取る制度は年々買取価格が下落し、今では元を取るのは難しい状況となってきた。しかしメーカーも需要が減らないように太陽光発電のシステム価格を下げることで現状の買取価格でも元が取れるような価格設定にするなどの対応がみられる。そこへきてパナソニックが自社製品を購入したユーザーに限り、パナソニックが大手電力会社よりも高値で余剰電力を買い取る仕組みを打ち出してきた。詳しくはニュースの記事抜粋をご覧いただきたい。

パナソニックは2日、NTT西日本子会社のNTTスマイルエナジー(大阪市)と共同で、家庭の太陽光発電で余った電力を買い取る新サービスを発表した。一部の家庭で固定価格買い取り制度(FIT)の期間が終了する11月に始める。パナソニック製品の購入などを条件に大手電力会社より高めの価格で買い取り、家庭用蓄電池の販売拡大につなげる。
国が定めた価格で電力会社が太陽光電力を買い取る制度は2009年11月に始まった。当時の契約期間は10年で、11月から契約切れの世帯が出てくる。FITの期間終了後の電力大手の買い取り価格は1キロワット時当たり8円前後が多く、開始当初の48円から大幅に下がる。
NTTスマイルエナジーの場合、基本的な買い取り価格は地域によって異なり、7.2~9.3円。パナソニックの蓄電池や電気給湯器などを購入すれば、1年間限定で最大16円となる。
これに合わせ、パナソニックは10月から蓄電池の新製品の受注を開始することも発表した。蓄電容量が5種類から選べ、家族構成の変化に合わせ増設もできる。
FITは今年だけで53万世帯が契約終了となる見込みで、電力を売るより自宅でためて自家消費する世帯が増えるとみられる。

1キロワット時が当時48円が今は8円

10年前には1キロワット時が48円という高値で買取されていたものが、今では8円前後と1/6にまで下がっていることには驚かざるを得ないところ。ただ今回のパナソニック製品購入で最大16円で買い取ってもらえるということで、今の2倍の価格となるのはうれしい。しかし実際には売電よりも自家消費の方が割合が多くなるので焦ってパナソニック製品にする必要は急務ではなさそうだ。