地方に越して、農業をしながら生活をしたい方に朗報。今まで就農するために50アール(5000㎡=約1500坪)以上の農地を取得する必要があったのが、今回の政府の閣議決定により引き下げられる模様です。記事の抜粋をけいさいします。

政府は就農希望者の地方移住を促進する規制緩和に乗り出す。空き家とその敷地にある農地に限り、取得できる面積の下限を引き下げる。現在は就農するために原則50アール以上(北海道は2ha以上)の農地を取得する必要がある。地方へ移り住んで農業を始めたい初心者のハードルを下げ、就農人口の拡大につなげる。  近く閣議決定する地域再生法改正案に農地取得要件の特例を盛り込み、国会に提出する。  空き家と農地がセットの「農地付き空き家」を購入する際に、農地取得の下限面積を見直す。下限は市町村が個別に定める。政府は1アール程度への引き下げを想定する。市町村が定める区域の範囲内で一括して面積基準を下げるため、個別に手続きを取る必要がない。  今も農地を管理する各市町村の農業委員会の許可を受ければ引き下げられる。農業委員会が個別の農地ごとに下限を設定する場合が多く、利用しにくかった。  改正案ではこの他、開発を制限する「市街化調整区域」で空き家を取得しやすくする。市街化調整区域内の空き家は原則、農家以外への転売ができず買い手が付きにくい。市町村が指定する区域内では農家以外でも簡素な手続きで購入できるよう特例を設ける。  農地や空き家に関する規制を見直す背景には、高齢化に伴う就農人口の減少と空き家の増加がある。2018年の国内の就農人口は00年に比べ半分以上減少。7割弱は65歳以上で、地域の活力維持が課題となっている。
日経 2019年03月11日朝刊

就農に必要な農地規模の縮小から問題を考える

政府は1アール(100㎡=約30坪)でも農地付き空き家を購入することができるように引き下げを想定しているということですが、空き家が購入しやすくなることで農地が別の用途に利用されてしまうという懸念材料も少なからず残る。ただ、地方へ越して農業をしながら生活を考えているという若者にはかなりありがたい制度だといえる。政府の決定がいつになるのかは不明だが、農業を考える若い世代には朗報と言えそうだ。