家はどこに頼むのが正解?
2013.11.13
家の依頼先を考える
設計事務所?ハウスメーカー?工務店?
お家を建てたいなとお考えの方、どこに頼むべきか悩んだことはありませんか?
以前記事にした「ハウスメーカーと工務店の違い」でもご紹介しましたが、それぞれに特長があり、メリット・デメリットを踏まえたうえで決めるのがベストであると書きました。
今回は建築設計事務所とはどのようなポジションなのかを少しご説明させていただこうと思います。
建築設計事務所とは
皆さんは建築設計事務所って、なんだか素敵で特別な住宅を作ってくれるイメージをもっていませんか?もちろんテレビの影響もあるでしょうし、売られている雑誌を見ても素敵な住宅が掲載されていたりします。しかし実際は建築設計事務所ではほとんど住宅を設計することはありません。というかあまりやりたがらない用途の設計だと言えます。なぜなら、建築設計事務所では一年の大半を店舗や工場、マンション、集会場や施設の大きな設計を行っています。構造も鉄骨や鉄筋コンクリートなどが主で、木造の設計はほとんどありません。もちろん一部の建築設計事務所では住宅をメインに設計されているところもありますが、どちらかと言えば少数派になります。
また、店舗や工場などの設計料に対して住宅の設計料はどうでしょう?面積か、または総工事費に対して仮に10%の設計料がかかるとして、店舗や工場であれば一件当たりの割合はかなり良いものです。その設計料に対して打ち合わせ時間も住宅に比べれば半分以下で済んでしまい、設計に集中することができます。しかし、住宅の設計はどうでしょう?面積が小さく費用もかけられない、お客様の注文は多く打ち合わせも夜か土日になってしまう。設計料に対して打ち合わせ時間の比率が高く、とても効率的な案件とは言えないのです。
建築設計事務所の設計住宅が向いてる人
ではどのような方が建築設計事務所に設計してもらうことが向いているのでしょうか。
このようにお考えください。普通の住宅ではなく、店舗のような空間の住宅に住みたいと思ったら建築設計事務所に依頼する。
つまり、住宅なんだけれど店舗のように鉄骨や鉄筋コンクリートで建ててもよいくらいの予算と、木造ではできないロングスパンの大開口や高い天井高、屋上庭園やプール付の住宅など特殊なオプションのある住宅を建てたい場合です。
わたしも依然設計していた住宅では、音響設備を充実させた住宅や地下のある住宅、店舗併用住宅などがありました。建築設計事務所のメリットは、その設計範囲の広さにあります。ちょっと変わった、普通の住宅じゃない素敵な家に住みたい方は、若干割高かもしれない建築設計事務所へ依頼するのも有りです。
予算を考えると住宅の場合は工務店がベスト
結局のところ、ハウスメーカーと工務店のどちらかで建てるのが現実的になってくるわけです。
以前の記事でも書きましたように、ハウスメーカーはとにかくブランドにかかるマージンが多く、工務店で建てる家の1.5倍~1.8倍程度の値段がかかります。高ければ優れた住宅なのかと言えば、そうでもなく、ただハウスメーカーの仕様以外のものを使用すると、マニュアルにないために対応コストが一般的な工事費の倍以上かかるというだけのこと。そうなってきますと、普通に住宅をたてるのであれば工務店で良いじゃないか!ということに落ち着くのです。
大工質な工務店とゼネコンの工務店
工務店には住宅などを手掛ける大工系の工務店と、マンションや工場などを施工する大手ゼネコン系の工務店とがあります。ここで重要なのは、住宅の依頼を間違って大手工務店へ依頼してしまうと、ものすごく高い費用がかかってしまうということ。大手の工務店では、住宅などの小さい案件では打ち合わせコストがかかることを熟知しておりますので、その打ち合せ分の費用をかなり盛り込んできます。大手工務店へ依頼するのであれば、建築設計事務所を挟むとよいでしょう、建築設計事務所が間に入り、大手工務店数社で相見積もりを取ってくれます。もちろんその建築設計事務所分の費用も発生してしまいますけれども。
そうなってきますと、純粋な住宅の場合は、地元の小さな工務店の方がかなりお得だといえそうです。また、地元の工務店であれば、何かあった際にもすぐに駆けつけてくれます。ハウスメーカーでは、雨漏りで連絡をしても一月以上放置されることはざらにあります。(実話)
地元の工務店にも、昔ながらの大工気質な工務店から、モダンな要素を取り込んだ工務店までさまざまです。このあたりのことはまた記事にしてみたいと思います。