浴室の設計

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設計された浴槽

建築家の設計する家には、素敵な浴室に素敵な浴槽が設置されていることがあります。洗面脱衣からつながる開放的な空間と、スタイリッシュなデザイン、どこを見てもユニットバスとは比べ物にならない魅力を感じるます。

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設計浴室は高いのか?

設計された浴室は、ユニットバスと比べて値段的に安いと思いますか?高いと思いますか?正解はどちらとも言い切れません。笑。
といいますのは、ユニットバスの価格というのはピンキリで100万しない浴室もあれば、400万を超える浴室もあります。逆に設計浴室の場合も、仕上げ材を安く仕上げれば安く納まり、石などを使えば高くなります。

旅館のような浴室好きは設計浴室

例えば旅館のように開放的で、大きな窓ガラス、スタイリッシュな浴室を希望されるのであれば設計浴室がおススメ。一から浴室を設計することで思い通りの浴室が完成します。

設計浴室のメリット・デメリット

設計浴室にすれば素敵な浴室が出来上がるのは分かってきました。では設計浴室はどのようなメリットがあって、どのような欠点があるのでしょうか?以下にまとめてみました。

  • メリット
    • オリジナルのデザインでスタイリッシュにも
    • 石やタイルを貼ることができる
    • 大解放の窓や露天風呂風にもできる
    • サイズを選ばないので自由な大きさに
  • デメリット
    • 木造の場合、腐りやすい水回りは地震などで亀裂が心配
    • 床が冷えやすい
    • 結露対策に断熱下地などが特殊

見た目や満足感のメリットに対して、構造や機能的なデメリットが多いような印象です。事実多くの工務店はよっぽど強い要望が無い限り木造住宅に設計浴室を採用しません。なんといっても腐食が怖いですし、地震の多い日本に置いてひび割れしやすいコンクリート下地などは採用したくないのが本音ですね。
それでも採用されたいお客様には、浴室を建物の枠から少し飛び出させて配置し、下地のコンクリートブロックやコンクリート壁が通気性良く乾きやすいように設計させていただきます。何十年も住んでいただくお住まいですので、できる限りの湿気対策、腐食対策をさせていただきます。


ユニットバス

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ユニットバスの特徴

ユニットバスはもともと木造住宅において腐りやすかった浴室回りの腐食を食い止める目的、工期を短縮する目的で作られています。事実このユニットバスのおかげで日本家屋の浴室の施工はかなり短縮されるようになりました。
ユニットバスは各メーカーがオリジナルの機能を付加することでより快適に、より機能的にお使いいただけるようになりました。
浴室をそのまま乾燥室にできる浴室換気乾燥機。冬でもあったかい床の機能床。バリアフリーの引き戸など、以前の浴室と比べて格段に使いやすいものです。

サイズが豊富になりつつあるユニットバス

以前のユニットバスでは1616、1216などのサイズが一般的でした。しかし昨今では可変のサイズの浴室もオーダーが可能でユニットバスの自由度が格段に広がりました。また、スタイリッシュな設計浴室に対抗するかのように、スタイリッシュで機能的なユニットバスも増えつつあります。

ユニットバスのメリット・デメリット

  • メリット
    • 水漏れ対策に優れている
    • 短期施工が可能なので割安
    • あったかい床、水はけの良い床などがある
    • パネル壁で、カビにくく掃除がしやすい
    • 断熱材入りなので比較的冬でもあったか
  • デメリット
    • 自由な設計ができない

こうして見てみますと、デメリットってほとんどないですね。機能的な面においてはユニットバスはかなり優れていますので、よほど浴室に強いこだわりがなければユニットバスで十分な気がいたします。


設計浴室派?ユニットバス派?

わたしも設計者の立場から、以前は断然設計浴室派でした。それは当時ユニットバスのバリエーションが少なかったことや、バリアフリー、大開口、安っぽい仕上げ材など、ユニットバスに魅力を感じなかったからです。タイル貼りの床や旅館のような浴室にあこがれていましたし、何よりも大きいサイズのユニットバスがそれほど出回っていなかったのです。
しかし昨今のユニットバス事情はどうでしょう、大きいサイズのユニットバスや優雅な仕上がり、贅沢な性能、防カビに防腐、至れり尽くせりの浴室となっています。

設計者側から、工務店側からの意見として、本当によほどのこだわりが無ければ、ユニットバスをおススメしますよ。