工務店向けの支援

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太陽光パネルの設置に伴い、断熱性能や、エネルギー管理システムなどの提供を太陽光パネルメーカーなどが支援し、工務店をバックアップ。これにより消費者への説明がより鮮明になり、太陽光パネルへの需要も拡大するのではと予測されます。

以下記事の抜粋です。

ゼロエネ住宅 太陽光大手、工務店を支援 最適なパネル提案

 太陽光パネル大手が中小・地場工務店向けに、電気代が実質ゼロの「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」事業の支援に乗り出す。シャープは工務店の支援拠点を設置。パナソニックは営業用ソフトを開発する。ZEHは国が新築の標準住宅に定めるなど成長が見込める。産業用パネル需要が一巡するなか、各社は手薄だった工務店対策で商機を拡大する。  シャープは大阪府八尾市の技術拠点に、工務店のZEH導入を支援するサポートセンターを作った。全国約30カ所の営業拠点に配置したZEHの営業担当者と連携、工務店の代わりに注文住宅の断熱性能などを計算し、最適な太陽光パネルの設置規模などを提示する。工務店が消費者に提案しやすくするほか、シャープ製パネルの販売拡大にもつなげる。  カネカも年間20~50棟ほどを手掛ける首都圏の中小工務店を対象に、ZEHの設計や申請書作成などを支援する事業を始めた。給湯器メーカーと共同セミナーを開くなど、パネルと省エネ住設機器とのセットで工務店に提案していく。  パナソニックは工務店が顧客に太陽光発電やZEHのメリットなどを説明する際に使う計算ソフトの開発を進める。タブレットを通じ、月々の光熱費などを消費者にその場で示すことができる。  日本では産業用が主体だった海外パネル各社も、ZEHを契機に住宅向けの開拓へ力を入れる。中国大手のインリーグリーンエナジーは、全国の地場工務店約40社で構成する団体と、自社のパネルを標準搭載するZEHの共同販売を始めた。太陽光発電のノウハウも提供して、工務店の住宅販売拡大を支援する。  世界3位のカナディアン・ソーラー(カナダ)はHEMS(家庭用エネルギー管理システム)の導入を支援するサービスを始めた。住宅に同社のパネルを搭載する家庭を対象に、HEMSの初期設定や通信環境の整備を代行する。設置工事を手掛ける工務店からの要望に対応する。  国の補助金を使ったZEHの建設件数は2015年度が6,146件と12年度の14倍に増えた。ただ積水ハウスやミサワホームなど住宅大手の物件が大半。設計の経験や知識の不足から中小・地場工務店の実績は少ない。  国は20年までに、新築住宅の半数以上をZEHとする目標を掲げている。今年度からは新築住宅に占めるZEH比率の目標を定めた企業に補助金を支給する「ビルダー登録制度」を始め、すでに3,000を超える企業が登録済みだ。出遅れていた中小や地場の工務店もZEH事業への参入意欲が高まっている。  ▼ゼロエネルギー住宅(ZEH)家庭内で消費されるエネルギーから、太陽光パネルなどで生み出した発電分を差し引き、エネルギー消費量を実質ゼロとした住宅。断熱性が高い窓や壁などの建材や、発光ダイオード(LED)照明などで省エネ化。家庭用エネルギー管理システム(HEMS)を活用し、各部屋の消費量を確認する。

日経産業 2016年10月21日朝刊