巾木のないデザインはスッキリ見えるが…落とし穴
2015.08.27
昨今デザインの面から、巾木をつけないデザインの住宅がちらほら目につくようになってきた。巾木がないことでとてもすっきりして見えるので、デザイン面を気にされる方にはもってこいの施工方法…なのですが、ちょっとした落とし穴があります。笑 そんな巾木の有無によるトラブルを少し見ていきましょう。
巾木って何?
そもそも巾木って何?ていう方のために簡単にご説明したいと思います。
巾木:はばき とは、室内の壁と室内の床との間にある木製やゴム製の見切り材のことを指します。和室では「ゾウキンズリ」とも言いますが、雑巾で床を拭く際に壁面が汚れてしまわないように取り付けるものです。
巾木の目的は?
巾木を取り付ける目的は、ゾウキンズリという和室での使用名称でもあります通り、雑巾で床を拭く際に擦ってしまう部分を保護するためのものです。同時に床の仕上げ面と壁面の仕上げの隙間をふさぐ役割も担っています。特に住宅の室内では、下地の固定ビスやクギが見えないように施工することが求められるため、端部の処理として巾木があることはある意味施工の逃げ場を作っているということですね。
巾木をなくした室内デザイン
自然派の住宅では、無垢のフローリングと塗り壁というコントラストで、巾木を設けないことが多々あるようです。写真のように巾木が本来あるべき位置まで塗り壁で仕上げ見た目をすっきり見せます。このモダンなデザインは若い世代に受けがよく、シンプルですっきりしたデザインの家具を配置する住宅をお考えのお施主様に好まれているようです。
巾木をなくすことのデメリット
巾木をなくすことは、見た目が良くなるというメリットだけではなく、デメリットも伴います。これらのデメリットを理解したうえでデザインを決めていっていただきたいなと思います。
- 巾木をなくすデメリット
- 掃除機をかけると、壁面が汚れる、塗り壁だと欠ける。
- 雑巾で拭くとシミが残る
- 床を濡らした際に、しみこむ
- クロスで仕上げると、クロスが床からの湿気ではがれる
- WAXを塗る際に染みる
巾木を目立たなくするために
それでも巾木を付けたくない、見た目をすっきりさせたいというお施主様のために、こんな施工法もあるんですよ~というのをご紹介いたします。
アルミ製などのシンプルで硬い素材を巾木の代わりにし、目透かしで取り付けます。上の図では、PBが入り込むようにコの字型にくぼんでいますが、アルミのアングルで代用すれば、小口が見えるだけとなり、見た目にもスッキリさせることができます。ただし、アルミという材質はコストがかかりますので、見た目と予算とを相談しながら決めていきたいところですね。
私の経験上、一番最初にコストカットされるところが、こういったデザイン重視の贅沢品でした。笑