建築物の検査・申請は大きく「確認申請」「中間検査」「完了検査」の3つあります。
中間検査は3階以上の共同住宅が主なので、一般住宅では「確認申請」と「完了検査」が主な検査・申請になってきます。
その中で、「完了検査」は工事完了後に、建築士(現場管理者)・検査者(主に市役所)の2者が現場に向かい、立会いの下設計図通りに工事が行われたかを確認して「工事完了」となります。

工事完了検査がリモートに

このほど国土交通省は、住宅などの小規模な建物の完了検査に対して、リモートを可とする動きをみせた。以下記事抜粋です。

国土交通省は戸建て住宅や小規模な集合住宅の工事が終わったときに実施する新築の検査をリモートでも可能にする。従来は建築会社と検査機関の担当者がどちらも現場にいる必要があった。人手不足が深刻な建設現場をデジタル化し、効率性を高める。  国交省は大手ハウスメーカーなど一つの会社が標準的な住宅を多く供給する場合や、大規模な住宅分譲での検査などでリモート検査の普及が進むと想定する。対象となる検査は年40万件程度と見込む。  完了検査は建築基準法で実施を求めており、事前に申請した通り建物が建てられているかを確認する。地震や火災などに対する安全性や住まいの快適さなどについて、基準を満たしているか調べる。  これまでも法令上はリモートでの検査を禁じてはいなかったが、遠隔で検査する際の具体的な方法などが明記されておらず事実上は担当者による目視で実施されてきた。国交省はこのたびリモートでの手順を盛り込んだ運用指針を公表した。  今までの検査では 1.建物の施工管理者といった現場の担当者 2.検査機関に所属する1級建築士などの検査者--の最低2人が現場にいる必要があった。指針では検査機関が認めた「検査補助者」のみが現場にいればリモートでも検査が可能だと明記した。  リモートで検査する場合、補助者のみ現地に行き、現場担当者と検査者の2人をウェブ会議システムでつなぐ。現場の映像や音声を共有し、寸法の計測や設備の動きを確認する。補助者はアルバイトや派遣社員でも認めるが、完了検査について一定の知識があることを条件にする。  国交省が検査機関の指定基準を定めた規則も見直し、リモート検査での補助者を位置づける。一連のルール改正を通じ、リモート検査が広く普及することを目指す。  建設業は2024年4月から残業規制が強化された。より少ない人数で現場を回せるような生産性の向上が急務だ。リモートで1日に検査できる現場が増えれば、少ない人数で効率良く仕事が進む。  検査を担当する1級建築士の高齢化と担い手不足も課題だ。リモートでの実施は働き方改革にもつながる。国交省によると2008年に1級建築士のうち60歳以上の割合はおよそ12%だった。21年には43%にまで割合が高まっている。

日経 2024年06月25日

これにより、工事完了検査の時間短縮が見込まれるので、検査待ちで引き渡しが遅れるといったことが発生しにくくなるのではないかと考えております。