コロナの影響からはじまった建材の値上げは、ここへきてロシアの輸入規制が加わりさらなる値上げへと変わったようです。
木材のプレカット費は従来のおよそ2倍に、鉄筋、ガラスは10~30%と、消費財が5%だった時代のおよそ180%ほどの値上がりぶりに戦々恐々といったところ。
もはや住宅は簡単には手に入らない物となってしまうのか?
その傾向と対策を私的観点からお話したいと思います。

まずは、国産合板の値上がり記事の抜粋から

住宅の壁や床に使う国産針葉樹合板の流通価格が2021年11月以降、最高値の更新を続けている。4月中旬時点の価格は3月比で6%上昇した。米国の住宅バブルで木材の価格高騰が続く中、ロシアが3月に対ロ制裁の報復として始めた日本への合板材の禁輸が値上がりに拍車をかけた。輸入合板の価格も上昇しており、住宅の値上がりにつながる可能性がある。  指標の針葉樹合板(厚さ12mm品)は現在1枚1,800円と、3月と比ベ100円(6%)上昇した。最大手のセイホク(東京・文京)など合板メーカーが4月出荷分から打ち出していた値上げが浸透した。07年7月に付けた最高値1,240円を21年11月に突破した後、最高値を更新し続けている。  背景には合板の原料となる国産木材の奪い合いの激化がある。現地報道によるとロシアは3月、ウクライナ侵攻を受けて対口制裁に踏み切った欧米や日本を「非友好国」に指定。ロシアから合板材料の単板の供給が止まった。日本の合板メーカーは国産のスギやヒノキなどへの切り替えを迫られた。  折しも21年以降、柱・はりをつくる国内の製材所は「ウッドショック」で北米産木材の供給量が減り国産材に乗り換えているさなか。その結果、合板メーカーと製材所との間で「国産の丸太の取り合い」(商社)となっている。国産丸太の逼迫感が強まり、農林水産省によると合単板用スギ丸太の3月価格は1立方m1万5,700円(工場着)と、2月から200円(1.3%)上昇し前年同月と比ベ4割高い。  需要はコロナ下の在宅勤務の定着で旺盛だ。リフォームや郊外への引っ越しが増えている。国土交通省の建築着工統計調査によると、2月の新設住宅着工戸数は21年2月に比ベ6.3%増えた。特に建売住宅は10.7%増と需要をけん引しており、ある商社は住宅向け木材の需要が「過去10年間で最も好調だ」と話す。  国内の合板在庫は低水準にある。合板メーカーの間で供給に十分とされる在庫量は1カ月の出荷量の7割以上が目安になっている。2月の在庫は9万3千立方mで、出荷量の3割程度に過ぎない。商社は「出荷する分を確保できるか不安になる水準だ」と語る。品切れになる前に合板を確保しようとする問屋など需要家の心理も価格の押し上げ圧力となっている。  木材以外のコスト増も追い打ちだ。単板を貼り合わせて合板にする際に使う接着剤も値上がりしている。接着剤のフェノールの国内価格は、原油高を受けて4月まで4カ月連続で上昇している。  輸入構造用合板も現在1枚1,950円前後にあり3月と比べ75円(4%)高い。主要供給国のマレーシアでは、21年に雨期が長く続き、原木の伐採ができなかったうえ、コロナによる外国人労働者の不足で供給が減った。  欧州ではロシアからの合板調達を控える動きも出ており、東南アジアからの輸入増加が予想される。  輸入合板をめぐり、日本勢は欧州勢との争奪戦が迫られる。国産、輸入ともに合板も値上がりが続くとの見方が広がっている。

日経 2022年04月19日朝刊

簡単に見てみれば、木材関係はおよそ2倍ほどの単価になったと言ってよいと思います。
10数年前までは、坪単価30万でも家が建つなんていう工務店もありましたが(※キッチンや浴室・トイレなどの設備は含まず)それももはや遠い過去のお話。
ペアガラスやトリプルガラスが主流になり、合板フローリングから無垢フローリング、高気密高断熱、24時間換気システムの法律化、LED照明の普及、コストは知らないうちに増えてゆき今では平均坪60~70万というのが一般的な数値になりつつあります。

なんとか安く建てるために

普通に建てようと思うのであれば、安くしようとするのは無謀なお話となりますが、「規格住宅」という縛りある建物であればそこそこ安価に建てることが可能です。
規格住宅というのは、日本全国にFC展開されている同一の規格をもった住宅で、ハイスペックでありながら流通の多さから比較的安価に建築費を抑えられた住宅です。
規格住宅の多くは建物のサイズと仕様によって価格があらかじめ決められており、車を購入するような感覚で家を建てることができます。
仕様には縛りが有り、あらかじめ組まれた数十種類のプランと、数種類の仕上げ材の中から選ぶ必要があり、そこに追加で何かを変更したい!といった自由までは持ち合わせて這いません。
ただ不自由かと言えばそうでもなく、最初からプランも年間数千件建ててきた実績などから組まれたプランなため、かなりこだわり抜かれた物が多いです。
よほどのこだわりがあるお客様でなければ、気に入ったプランが見つかるでしょう。

新築住宅建てるなら今すぐ急いで!

結局のところ、在宅勤務者の増加によって都心の若者が地方に家を建てる動きが昨年から増えつつあり、住宅建材の取り合いが発生しています。
国内の建材の在庫は徐々に品薄となってしまい、年末までには車の納車待ち同様、建物の完成待ちが発生してしまうでしょう。
もしあなたがこの一年あるいは2~3年の間に新築をお考えであれば、今すぐ動き出すことをオススメします。
来年あたりには在庫がなくなり、坪単価は70万~90万程度まで跳ね上がる可能性が非常に高いです。

※ 坪単価は木造の場合の目安です。実際のキッチンや浴室設備、建材のグレード、建物の広さによって大きく変わります。