天然の木材を住まいに利用した場合の特徴として、湿度を調整する作用があります。湿度の高い時には湿気を吸収し、湿度の低い時には湿気を放出する働きです。

ただ住宅のために木材を使用する際には、木材の中に含まれている水分、つまり含水率を一定まで下げておきます。木材は水分が少なくなっていくと収縮や変形が起こるため、住宅の構造上の問題となってしまいます。このような理由で住宅に利用する木材は、あらかじめ乾燥させておくのです。

乾燥させる方法としては、大きく分けて2種類あります。天然乾燥と人工乾燥です。天然乾燥では、風の流れを考えて積み上げて、数ヶ月~数年の間、自然に木材の水分を減少させていきます。人工乾燥では、蒸気式や除湿式、減圧式、燻煙式などさまざまな方法がありますが、天然乾燥に比べて、短時間で木材の含水率を下げることが可能です。

現在、建築中の根上社長のマイホームでは、天然乾燥のヒノキの木材を採用しています。人工乾燥に比べて、天然乾燥の方が、ヒノキの香りが残り、脂が抜けにくいので粘りのある木材になるためです。

同時に柱や梁には「背割り」と呼ばれる工法として、木材に5ミリ程度の溝を最初に入れてあります。これは内部までしっかりと乾燥させるためと共に、水分が抜けた場合のヒビ割れを抑えるためです。

意図的に溝を入れておくことで、乾燥による木材の収縮や変形をコントロールしています。もちろん、強度に関して問題はありませんので、ご安心ください。

木の良さを活かした天然乾燥にこだわった根上社長のマイホームの完成は年末頃です。お楽しみお待ちいただけたらと思っています。