文化サロン「汽水域」
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文化サロン「汽水域」

カフェを併設した能舞台のあるホール・文化サロン「汽水域」様

エントランスまでのアプローチやスロープの周辺には、ソヨゴやヤマボウシ、アオダモ、コナラ、シャリンバイ、ヤマモミジなどの植栽も。建物の外観と併せて、四季折々の植物の色彩を楽しめるのも特徴の一つです。外側からは建物を彩り、内側からも四季を感じることのできるお庭をコンセプトとしています。

ちなみに名称の“汽水域”というのは、河口など淡水と海水が混じり合う水域のこと。この水域のように、さまざまな交流ができる場所にしたいとの考えから付けられたそうです。

本格的な能舞台のあるホール

外観は、自然素材の漆喰を採用した風合いのある塗り壁。内観の注目のポイントとなるのが、5.4メートル四方のヒノキづくりの能舞台。約30名の客席の床材にも、ヒノキを採用しています。

舞台の後方には、老松の描かれた鏡板(かがみいた)。高さは約2メートル、幅は約3.6メートルで、ヒノキの板4枚を使っています。舞台の左手前には、角柱(すみばしら)、あるいは目付柱(めつけばしら)と呼ばれる柱も。

舞台の下には、陶器の大きな甕(かめ)が設置されています。こちらも伝統的なもので、適度な吸音効果で、足で踏む拍子の響きを良くするためと言われています。また笛や太鼓の音、謡の声などにも影響があるとも。

以上のように本格的な能舞台として仕上げてありますが、鏡板を左右に開くと、一面が鏡になっているので、日舞やダンス、ヨガなどの練習などにも利用できます。またシンプルなホールとして、絵画や写真、活け花などの展示会、各種の楽器のコンサート会場、発表会の場所にも最適です。

緩やかに傾斜している天井は、スギを使った勾配天井となっています。天井を水平にするよりも、空間に動きがあり、ホール内の広がりをさらに感じられるのも特徴の一つです。内壁も外壁と同じく、自然素材の漆喰を使った風合いのある塗り壁となっています。

窓ガラスには、二層となっているペアガラス。エアコンは2台設置して、空調や換気が円滑に行なえるようにしてあります。ホールの北側には、各種の道具や小物などを保管しておくための倉庫も。

伝統的な能舞台がありながらも、さまざまに活用できる自然素材をふんだんに採用した高性能なホールが完成しました。

カフェ・喫茶室

カフェの外観はスギの板を下から順に、水平に取り付けていった鎧張り。ホールの外観が、漆喰の塗り壁なので、全体的な自然素材の統一感がありながらも、それぞれの空間を明確に分けて、風合いや色味などのコントラストが映えるスタイルに。

ちなみに鎧張りは、下見板張りとも呼ばれる工法で、板を平坦に張るよりも、雨水の浸透を防ぎやすい特徴があります。

エントランスの上部には、オレンジに輝く丸みを帯びた照明。可愛らしい小ぶりの丸窓の横には、文化サロン「汽水域」様のテーマや思いをデザイン化したイラストレーションも掲げられています。

内観は、床にスギを、天井にはスギとマツを採用。壁はホールと同様に漆喰を使っています。大きな特徴として、ホール側の壁はコテ塗りの風合いのあるスタイルですが、カフェ側の壁は雰囲気を変えて、均一でスタイリッシュな仕上げに。

配色は、天井と壁はホワイトで、床はブラウン、キッチンまわりはブラック、カウンターはダークブラウンに。イメージとしては、明治や大正時代の洋館で、レトロでモダンな雰囲気のある空間です。

窓枠はブラックで、十字の格子が入っているのもポイントです。テーブルや椅子などは、アンティーク系のものをオーナー様が取りそろえられ、さらにオシャレな空間を演出しています。

アンティーク系の調度品の中には、ご実家で使われていた本棚や机をリメイクしたものも。本棚はリメイクを施した後に、壁へ取り付けて食器棚に。机はさらに使いやすいように、高さを上げるなど手を加えてあります。長年使われていたものを上手く活用することで、雰囲気をより一層引き立てているのも大きな魅力となっています。

また大きな特徴の一つでもある一枚板のカウンター。横幅は約3.6メートル、奥行きは約1メートル。高さは、店舗としては珍しく、一般的な住宅で使われるダイニングテーブルに合わせてあるので、ゆったりと落ち着いた環境で、パンケーキやコーヒー、期間限定のメニューなどを楽しめます。

約15名の席数があり、細部までこだわりが詰まった、どこか懐かしい雰囲気のあるカフェが完成しました。