ローコスト住宅を建てたいなら知っておきたい10項目

ローコスト住宅を建てたいなら知っておくべきこと

20代で1000万円台のローコスト住宅が建つ?

ローコスト住宅という言葉が流行りだしたのは、今から10年ほど前になるでしょうか。テレビや雑誌で坪20万~30万の安い住宅が取り上げられるようになりだし、今では「20代、30代で建てる1000万円台の家」というのが、当たり前のキーワードとされています。
そもそもローコスト住宅とは、どのような家を指すのでしょうか?

ローコスト住宅とは

ローコスト、つまり低いコストで家を建てることを指しますが、これは1000万円台だとか、2000万円台だとかっていう総工事費の金額を指したわけではなくて、もともとは材のコストを抑えたり、プランを縮小したり、建具(ドアや引き戸)をなくしたり、1階部分の天井を貼らなかったり、内装にクロスを貼らずに合板下地そのままにしたり…というのがはじまりです。
それがいつの間にか、「おしゃれにしても安く建てられる!」という概念がどこからか定着し始めて、それが住宅業界の価格破壊につながり、2000万を超える住宅に「高い!」なんて言い出してしまう事態になっています。

ローコスト住宅に潜む危険

多くの場合、ローコストをうたっている住宅メーカーの家は、実際に見積もりを出すと2倍、3倍の値段が提示されます。
これは、坪単価25万~などとうたっている業者に多くみられることですが、坪単価なんていうものは、最終的に建てた建物の金額÷延べ床面積なわけですから、中身の仕上げが空っぽの箱を作って坪単価を出せばいくらでも安くできるわけです。
ローコストをうたっている悪質住宅メーカーにひっかかってしまったお施主さんの言う言葉は、「営業の言っていた金額と全然違う」です。
そうならないために、ローコスト住宅を建てるための知識を少しでもつけましょう。

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ローコスト住宅を建てたいなら、建築設計事務所か工務店へ

そのローコスト住宅、何年住める?

ローコスト住宅メーカーの建てる家は、実際はローコストではありません。30坪で900万の家?絶対ないです。オモチャの家なら作れるかもしれません、しかしそんな家がいったい何年もつと言うのでしょうか?

ローコスト住宅はメーカーよりも工務店

本当にローコスト住宅を目指すのであれば、仕上げ材、プラン、設備が自由に選べる建築設計事務所か、工務店でなければ不可能だと言えます。なぜならば、ローコスト住宅のハウスメーカーの家では、最初から選べる設備も、選べる仕上げ材も指定されており、それ以外の仕上げ材を選ぶと、一気に金額がぐんっと上がってしまうのです。また、工務店は、どのような間取りならばコストが抑えられるのか、どのような仕上げ材ならコストがかからないのかを熟知しています。

たとえば、クロス貼りの室内の壁を合板のオイル塗装仕上げに変えたとしましょう、クロス張りにはまず下地にプラスターボードが貼られ、さらにプラスターボードの不陸(ふりく=凸凹した表面のこと)を均す(ならす)パテ処理、さらにクロスを貼りやすくするシーラー(下地処理)、その上にクロス職人によるクロス張り、となります。ここにはボード運搬職人、ボード張り大工、ボード不陸処理職人、クロス張り職人と大勢の職人さんが必要となります。

逆に、合板の場合には、まず目の綺麗な合板選び、合板貼り付け、合板固定釘が綺麗に見えるように通常の固定作業よりも丁寧に一本一本打ちます。オイル塗装用の養生(ようじょう=周りを汚れや傷から守るための処置)、オイル塗装1回目、乾燥、オイル塗装2回目、合板のささくれ処理のヤスリかけ、となります。すると思っていたよりもクロス仕上げと変わらないくらいの工数がかかっていることがわかります。

仕上げ材の金額だけでなく、その仕上げに必要な作業工程まで入れると、意外とどの仕上げも同じようなコストがかかったりしています。そのあたりのローコストを実現するテクニックは工務店のみぞ知る領域となります。私が工務店を推す理由はここにあります。


ローコスト住宅を建てたいなら役に立つ10項目

それでは実際にローコスト住宅を建てるにあたって知っておきたい項目をいくつか挙げてみましょう

ローコスト住宅を建てるために

01 プランは真四角に

今では当たり前に見るようになりました真四角の家。実はあれがローコストを実現する最上の形となります。真四角の家のメリットは、まず外壁の面積が小さく済むこと、屋根の面積が少なく済むこと、構造が単純で納まることです。

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02 間取りの間口は短辺2,730mm以内

プランによって大きな間口が欲しくなることがあります。リビング・ダイニングの続き間では特に広いスペースが気持ち良いです、しかしこの時の短辺間口を最長で2,730mm以内に納めておくと、大きくコストダウンできます。これは使用する構造材が、間口の広さによって変わるためで、部材のサイズを落とすことでコストを落とすことができます。

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03 家具は既製品を

地震の影響もあって、作り付け家具が当たり前になりつつあります。もちろん予算があれば作り付け家具の方が良いのは当たり前なんですが、ローコストを実現するためならば、ここは既製品の家具を用意したいところ。作り付け家具は、家具職人が一からつくるオリジナルの家具、量産される家具より値が張るのは当たり前、さらにその家具を現場で固定する。大工作業も伴うこの工程は、ローコスト住宅では省略した方がよさそうです。

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04 設備メーカーにこだわらない

実は水回り設備などは、工務店へ卸す値引き率がメーカーや地域によって異なります。つまりこの地域ではこちらのメーカーが安く、こちらの地域ではこちらのメーカーが安く仕入れられるといった具合です。ここでポイントなのは、工事をお願いした工務店が推奨する設備メーカーに揃えることです。これによって設備全体の10%〜20%ほど金額が変わってきます。

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05 地盤調査を行うポイント

木造の住宅程度ですとそこそこ信頼できる土地であれば地盤調査を行わないケースがちらほら以前ではありました。しかし、地盤調査は何十年住み続ける家にはとっても大切なこと、必ず実施するようにしてください。
ここで気を付けるポイントは、ハウスメーカーに依頼しないことです。なぜならばボーリング調査を行うだけで何十万も請求がくることがあるためです。ボーリング調査は、一ヶ所数万円+1mあたり1万円~が相場で、例えば5m調査して強度のある地層に到達したら、そこで設計者の判断を仰ぎ調査を終えるものです。すると8万~10万の間でボーリング調査は終えられることが多いのですが、ハウスメーカーの場合はここに中間マージンが発生し、営業者分の取り分が追加され20万~25万程度の金額を請求されます。悪質な業者の場合、強度ある地層にもかかわらず無駄に20mほど調査し40万程度請求する場合もあります。本当にその地層が軟弱であったのならば仕方ありませんが、そうでなければ過調査なわけです。心配な方は立ち合いで調査を見守るとよいでしょう。

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06 吹き抜けは無駄

ローコスト住宅において吹き抜けはただの無駄。「予算がないから吹き抜けにした」は間違いです。吹き抜けにすることで坪単価は上がりますし、エアコンなどの空調電気代も嵩みます。予算に余裕がなければ吹抜けは避けるべきです。

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07 雨戸、シャッターをなくす

本来ならば台風の多い日本では欲しいアイテム、でもローコストにしたいなら無くしましょう。

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08 屋根はフラット、折半葺

本当に極限までコストを考えますと、屋根は工場などで見る折半葺が一番安く上がります。工場の仕様が実は究極の低コストだと思えばわかりやすいのかもしれませんね。

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09 玄関床はモルタル

最近ではコストカットのためだけでなく、ちょっとおしゃれな仕上げとして黒色モルタルで玄関ポーチの床を仕上げる家が増えました。玄関ポーチにタイルを貼る予算が無い場合は、黒モルタル仕上がおすすめです。

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10 水回りはまとめて、道路から近く

給排水の工事は給水、排水の管の長さによって金額が変わります。ちょっとでもローコストにするためには、道路からの引き込みを短く、また住宅内でも配管距離を短くしてやることが大切です。

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ローコスト住宅はつまらない家?

贅沢やこだわれない家

いかがでしたでしょうか?ローコストにするための工夫をあげてみましたが…正直つまらない家に見えてきませんか?
つまりそういうこうとなんです。ローコストで家を建てるということは、家に対する贅沢、家に対する期待、家に対する夢、こだわりを半ば捨ててしまうことなんです。ローコストとは、とにかく贅沢を無くし低予算で家を建てることなんですね。

それでもローコストで愉しい家に住みたい

どちらも叶えることは難しいですが、ローコストで建てる中で、ここだけはこだわりたい!というところだけグレードを上げてみましょう。すると、息苦しかったケチケチした家から、楽しい家に変えることができるかもしれません。

細かな要望に応えるのは建築設計事務所・工務店

つまり、お施主さまの細かな要望にローコストで答えていくためには、建築設計事務所、または工務店でなければ不可能なのです。あらかじめ製品化されたローコスト住宅ですと、少しこだわりをいれるだけでぐんと値があがったりします。その点工務店に依頼しますとほんの少しの価格変動のみで対応が可能となるのです。

建築設計事務所の難点

建築設計事務所はローコスト住宅に優れたパフォーマンス性を持ち合わせています。しかしあまりに住宅の費用がローコストすぎますと建築設計料が割合的に高く感じだしてしまうかもしれません。おそらく多くの建築設計事務所では、総工事費の8%〜15%の設計料を掲げますが、総工事費が低い場合には、最低設計料を設けているものです。おそらく豊橋市、豊川市周辺では建築設計料の最低価格は200万前後ではないかと思います。もちろん大手建築設計事務所になれば、そのデザイン性や奇抜性でもう少し値がするかもしれませんが、住宅本体の価格はそれなりに落としてくれるのではないでしょうか?


豊橋市、豊川市でローコスト住宅を考える

ローコスト住宅、一見「安く建てられていいわ~」なんて思いますが、やはり内装や外装、仕上がり具合などひどいものです。安かろう悪かろうの世界です。根上建築の建てる家は、もちろんローコストも可能ですが、やはり、いち大工職人、いち建築士である以上、住まい手にはその家で暮らすことの幸せを味わっていただきたいなと思うわけです。

根上建築ではお客様の様々なご要望にお応えいたします。ローコスト住宅であれ、しっかりとした何十年ともつ住宅であれ、手を抜かず親身になって施工させていただきます。どの工務店よりも熱い志して取り組んでおります。住宅をお考えの方がいらっしゃいましたら是非お問い合わせくださいませ。

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